音が発生すると空気の圧力が少しだけ変わります。
気圧計には出ないくらいほんの少しなのですが、この変化した分の圧力を「音圧」といいます。また、音の大きさを表わすのに一般的に使われる量は「SPL(音圧レベル)」で、音圧の大きさ単位は「dB(デシベル)」です。
いきなり式が出てきて恐縮ですが、音圧レベルと音圧の間には下記のような関係があります。
ある音の音圧レベル(SPL)というのは、ある音の音圧(P1)が基準音圧(P0)の何倍かという値の対数を取って20倍した値です。そして、P0というのは人間が聞くことの出来る最小の音圧なのです。
また、音のエネルギーは音圧の2乗に比例しますので、下記のようにも表せます。
数式ばっかりですがまだまだ逃げないでください。
実はそんなに複雑な計算ではありません。
それでも「イヤ!」という人は、答えだけ覚えておいても損はしませんので読んでみましょう。
対数計算から遠ざかって久しい方のために・・・
ところで、どうしてこんな分かりにくい単位を使うんでしょう?
それには2つの理由があります。
1つ目の理由は、人の耳に音として聞こえる音圧の範囲が広すぎて、聞こえる最小の音圧を[P0]とすると最大は10000000[P0]なんていう数字で表示したり扱うのが大変・・・
これをdBで表示すると0dBから140dBと、ぐっとコンパクトになります。
2つ目の理由は、dBは人の感覚に合った単位なのです。
音圧が1から10になった時と100から1000になった時(どちらも10倍になった時)、人は同じくらい音が大きくなったように感じます。
“何倍になったか”というのは、“何dB上昇したか”ということなので、dBを使うと「こっちの方が××dB高い」とか「低い」とかいうように、感じ方の差を物理量の差で言い表わすことが出来るのです。
話は変わりますが、少し前のTVコマーシャルで
「我が社の新製品は騒音の90%をカットすることに成功しました!」というのがありました。
これは恐らく、騒音のエネルギーの90%をカットした
=エネルギーが1/10になった
=騒音が10dB下がった
ということだと思うのですが、「10dBカットした」というよりはずっとインパクトが強くてうまい言い方ですよね。
買った人は「これで90%カットされてるの?」と思うかもしれませんが・・・